一般的に、矯正治療は3年前後かかると言われており、進学、留学、就職などへの影響が心配で、治療をためらわれている方も多いではないでしょうか。
ところが、当院での平均的な治療期間は1年半程度となっています。加えて、多くの方が気にされている前歯の凸凹の改善も、おおむね半年程度で改善することが可能です。
治療期間の短縮が可能なのは、当院では「ナガサキ-メソッド」という治療法を用いているからです。
「ナガサキ-メソッド」とは、従来行われてきたさまざまな矯正治療法を、生体力学解析を用いて科学的根拠に基づき、日本人向けに組み合わせてカスタマイズした新しいハイブリッド式治療システムです。
今まで、治療期間が長く、痛みを伴うことによる社会生活への影響を心配して、歯ならびの治療をためらわれていた中学生、高校生、大学生だけでなく、ご結婚を控えられた方や社会人の方に、ぜひお勧めしたい治療法です。
矯正治療は歯を正しい位置へ動かして行く治療法ですが、実際に動かす「歯」のすべてが目に見えるわけではありません。
歯は、「歯冠(歯の頭)」と「歯根(顎に埋まっている根)」に分けられます。矯正治療では、「歯根」をいかに顎の中できれいに並べるかにより、将来的な歯の持ちや、歯茎の見た目のきれいさ、きれいな歯ならびであり続けることができるかが決まると言われています。
「歯根」を思い通りに動かすためには、歯の頭に着けた装置をねじったり、電車がレールの上を走るように、ワイヤー上を滑らせたりして、歯の位置をコントロールする必要があります(歯根にワイヤーを着けられたら一番簡単なのですが、歯茎の中には装置は着けられません)。
これらの装置をねじったりワイヤー上を滑らせたりする方法は、ワイヤーがたわんだり歯に着けた装置との間に摩擦が生じたりして、うまく動かないことも多く、専門的な技術と知識が要求されます。しかし、これらの技術論や装置は1925年に現在のワイヤー矯正(マルチブラケット法)が開発されてから、巨匠と呼ばれる数人のアメリカの矯正医が提唱してきた経験的なものであることが多く、必ずしも科学的根拠に基づいているわけではありません。
主にアメリカで発展してきた矯正歯科の治療システムでは、一度すべての前歯を前に出して凸凹を取り、その後に前歯を後ろに下げる必要があります。この従来の方法で治療すると、日本人は凸凹の量が多いため、前歯を並べることにも、後ろに下げることにも長い期間がかかってしまいます。
これらの経験に頼ってきた技術論や装置を、科学的に解析し、装置や理論を組み合わせたり、どのようにねじったり、滑らせればよいかを追求すれば、より早く、より歯に優しく治療を行えます。そのためには、生体力学を用いた解析と知識が必要となりますが、残念ながら、多くの矯正医がこれらの知識を有していないことから、「時間が長くかかる」「痛い」などの問題が生じています。
当院院長が文科省教官(大学院助教)として在籍していた長崎大学歯学部歯科矯正学講座は、矯正歯科界におけるバイオメカニクス(生体力学研究)の権威として世界的に知られており、院長はこれらの多くの研究成果(学会発表、症例報告、論文)に関わってきました。
この長崎大学では、矯正治療の歯の動きについて、力学解析を用いて科学的に検証を行い、数多くの効率的な歯の移動法を今日までに構築してきました。これらの新技術を治療に応用した「ナガサキ-メソッド」に基づき、歯を最短距離で治療ゴールに向けて動かす効率的な治療を行うことで、痛みを伴う外科処置などを行わなくても、治療期間の大幅な短縮を達成することが可能となります。
当院で行っている表側矯正は、矯正歯科のこれまでの経験則に基づいた治療手技について、力学解析を用いて科学的に検証し、確たる手技を確立した「ナガサキ-メソッド」を採用しており、治療期間の短さに自信があります。そのため、最も一般的な矯正治療装置である表側治療こそ、当院での治療をおすすめしています。
抜歯したすき間を早く閉じる技術
矯正治療で抜歯が必要な場合、一般的に第一小臼歯(犬歯の1つ後ろの歯)が選ばれます。この歯を抜いたすき間を使って前歯を後ろに下げるときには、歯の頭に着けた装置にワイヤーをつなげて、奥歯と前歯を引っ張って行きます。しかし、歯の頭に着けた装置の部分を直接引っ張っても歯の頭だけが動き、歯根は動いてくれず、治療に時間がかかる上、きれいな歯ならびにはなりません。
院長が長年勤務していた長崎大学で行われた力学解析研究において、表側矯正のワイヤーにフックを付けて、歯に着けた装置よりも約5.5mm付近の歯根方向の高い位置から歯を後ろに引っ張ると、歯の頭も歯根もスムーズに後方に移動することがわかりました。この治療原理を応用し、ワイヤーからの距離が5.5mmより近い位置から歯を引っ張ることで歯の頭を、ワイヤーから5.5mmより遠い位置から歯を水平に引くことで歯根を、それぞれ理想的な位置まで動かすことが可能となります。当院で行っているハイブリッド治療法「ナガサキ-メソッド」では、この移動法を用いることでスムーズな歯の移動とスピーディーな治療が可能となっています。
(Jun-ya Tominaga et al, Optimal Loading Conditions for Controlled Movement of Anterior Teeth in Sliding Mechanics. The Angle Orthodontist 2009)
前歯のでこぼこを「あっという間」に治す技術
矯正治療で歯を動かす場合、歯の周りの骨を新陳代謝させて歯のまわりの組織を作りかえる必要があります。新陳代謝を起こすためには弱い力を歯に加える必要がありますが、下の前歯は小さく、ワイヤーを着けると過度の力がかかり、痛みが強く生じ、凸凹もなかなか治りにくいと言われています。
そこで、歯に着けるブラケットに横幅を狭くしたものを使用することで、弱くしなやかな力をワイヤーが生み出すようになり、凸凹の歯を早期に、痛みを少なく改善できることが、長崎大学での力学解析により明らかとなりました。
当院での治療システム「ナガサキ-メソッド」では、この技術を応用し、前歯に着けるブラケットには横幅が狭いものを用いており、劇的に早く歯のでこぼこを治すことが可能となっています。
「もうすぐで卒業なので通院できない」「1年後に留学するので矯正したいけれど、、。」と悩まれている方におすすめの治療法です。
インビザラインの通院間隔はおおむね2ヶ月に1回程度で、通院が困難な場合などはさらに間隔を延ばすことも可能です。そのため、受験、留学、転勤、海外赴任などのさまざまな環境の変化に対応しやすく、治療期間の問題で今まで矯正治療ができなかった方にも安心して治療していただいています。
それに加えて、ワイヤーを使う装置よりも痛みや違和感などの負担が少なく、周囲に気づかれることなく治療が可能なため、ご希望される方は多いです。
しかし、奥歯から順番に歯を動かして治療するシステムであるため、前歯のでこぼこなどの気になる部分が治ることが治療後半になります。また、歯を抜かなければいけないかみ合わせの不正の場合、治療期間が長くなってしまいます。その場合、これらのマウスピースが苦手な治療部分を表側矯正(クリアブラケット)などであらかじめ治しておく「ワイヤー併用治療」を行うことで、トータルの治療期間が短くなり、マウスピースの交換枚数が減るため、快適な治療が可能となります。
インビザライン(マウスピース矯正)矯正をしたいけど、気になる部分は早く治したいという方におすすめの治療法です。
主訴 | 装置 | 手技 | 治療期間 | |
Aさん26才
転勤がある |
デコボコをきれいにしたい | 表側矯正 | ナガサキメソッド | 1年6か月 |
Bさん20歳
大学生 就活までに治したい |
前歯が1本飛び出ている | 表側矯正 | 部分矯正 | 6か月 |
Cさん35歳
会社員 転勤があり 半年に一度しか通院できない |
前歯が内側に入り込んでいる | マウスピース矯正 | インビザライン | 2年 |
Dさん16才
高校生 卒業までに終わりたい |
八重歯 | 表側矯正 | ナガサキメソッド | 1年6か月 |